相続「あるある」がいろいろ載っています。それぞれ簡単に事例の説明と、どうすればよかったかがコメントしてあるこの記事。分量も少ないので、ちらっと目を通しておくといいと思います。
「あ、そういうこともあるのね」
て、知っているだけで、結構違ってきますから。
家を継ぐ人が財産も継ぐ家督相続は、今は昔。時代は変わり、権利者意識を持つ人が増えるにつれて、家庭裁判所への申立件数も増えています。相続はお金よりも感情でもめるケースがほとんど。10人の証言から争いを避けるヒントを見つけましょう。(PRESIDENT Online『「相続」で失敗した10人の証言』より)
と、くだんの記事から引用してみましたが、まさに「お金より感情でもめるケースがほとんど」。家族間しかり、家族間では納得ずくなのに税務署が認めてくれないしかり。
家族親族でも口約束はNG! でも、まずはざっくり話しだけしておこう
かくいう我が家では、祖父の生前は「私、相続放棄しようと思うの。あなたたちのために」なんて言っていた人が、祖父が亡くなった途端、わざわざ「私、遺言を尊重することにしました」とか言ってくる、そういう「いらっ」とポイントが結構ありましたね。別に態度を翻すのは構わないんだけどさ、いちいち口に出さなきゃいいじゃん? それも毎回、いかにも良い子風に・・・て思ったりね。あ、これ愚痴ね。
うちの事例に限らず、上の記事曰く「権利者意識を持つ人が増えるにつれて、家庭裁判所への申し立て件数も増えて」いるそうだから、"当然の権利" について猛然と食いついてくる人は、あなたの周りにも一定数いるんじゃないかな。
我が家の上の例でもわかる通り、親族といえど口約束を信用してはいけない、悲しいご時世です。この期に相続について、今一度考えてみてはどうでしょう?
ねこる家の事例
我が家は、祖父がしっかりした遺言書を信託銀行で残していたので、分配の仕方についていては揉めもせず、比較的すんなり相続の手続きに移ることができました。 弁護士さんを探したりなんてこともなく、手続きも信託銀行に丸投げ。残された側からすると、手続き的にはこの上なく楽ちんでした。しかも遺言書をつくる時点で、一回手持ちの資産の棚卸をしているから、「こんなん知らない!」ていう正負の資産が後から出てきて困る・・・ということも(いまのところ)なく。そういう意味では、「相続で失敗」は特にしていないかな。祖父の思った通りにことが進んでいるはず。
自分の資産は、家族が法定相続の割合で受け取ればいい と思っている人へ
家族間の相続の感情的な難しさは、それぞれの事情が絶対にイコールにならない、てとこにあると思うのね。同居して、祖父母の面倒をあれこれみていた母と、正月に顔見せるか見せないか程度の付き合いしかしていなかった "おば"。
同居していたから、経済的には祖父母に世話になっていた母と、結婚して完全に別世帯の "おば"。
病気で働けず、かつ夫もいない母と、大企業の重役という夫を持つ専業主婦の "おば"。
当たり前だけど、二人の事情は全くイコールにはならない。そういう事情の、どこをどの程度勘案して財産を分けるのが妥当かなんて、見る角度が違えば全然違ってきちゃうわけです。
病気で自分じゃ働けないし、祖父母の介護も一生懸命やっていたんだから母に多く残す?
これまでも同居していて、経済的に頼っていたんだから、多くもらうなんてずるい?
どっちの意見もありそうでしょ。こんな時に文句が出ない、兄弟姉妹が喧嘩しない一番の分け方は、「半分こ」。祖父は生前、何より兄弟で喧嘩して欲しくない、といい続けていたので、私には遺言書を開ける前からなんとなく想像が付いていて、そうして開けてみたら想像通りの「半分こ」だったわけです。
(もっと具体的に書くと、いろいろ細かい注釈のつく半分こなんだけど、それはここでは割愛)
半分こなら遺言書なくても良さそうなものじゃない?
でも、やっぱりネックは事情はイコールではない、てところ。
遺言書がなかったらきっと、「介護をして大変だったから多めにもらえないのか」「同居していて生活費も出してもらっていたんでしょ」なんて揉め事になっていてもおかしくないのよね。実際、うちは揉めていたんじゃないかと思う。
だから、あとあと家族が揉めないためにも、「法定相続制度があるんだし、まぁ法律の通りに分けてもらえばいいよ」と思っているとしても、その意思をきちんとした遺言書の形で残しておくことは大切だと思いますよ!!