スープジャーの仕様変更に思うマーケティング雑感

どうも、ねこるです。
今日は、介護とも認知症とも相続とも全然関係なく、スープジャーの話です。

今使っているスープジャーをもう一つ買おうと思ってLoftに行ったら、ガラッと仕様が変更になっていて、しかもどのメーカーのもなんか似た作りになっている・・・
このものづくり、ユーザーの方向いてる? と思ってしまったので、今日はそんなお話。

なにこの空間! スプーンはどこへ消えた!?

今使っているスープジャーは、2年くらい前に買ったものです。
ちょうど結婚式を控えていたので、ダイエット&節約のために、お弁当としてスープを持っていこう! と思って買ったわけです。毎日暖かい野菜たっぷりスープを飲む生活で、おかげさまで -6kg いけました。

その時買ったのが、Tiger のこの商品。


なにが便利って、蓋を開けたところの空間に折りたたみのスプーンとフォークが入る仕様になっているところ。
個人的に、使った後のスプーンやお箸を持ち運び用のケースに戻すのが嫌なんです。特にスプーン・フォークを持ち運ぶようのケースって洗いづらくて・・・
このタイプだったら、スプーンケースを他に持たなくてもいいし、なによりスプーンを忘れることがほとんどない!食べ終わったら、スプーンを折りたたんでジャーの中に放り込んで持って帰れば、スプーンの収納スペースは汚れない。
本当に、便利です。

飲み口のところにプラスチックパーツを使っていないのも◎。パッキンも全部外せるし、取り外せない謎の機構が存在しないので、とても洗いやすい

ところがこいつが、仕様変更になっていたんです。
新しいのが、こちら。



ぱっと見そっくりなんだけど、こちらの商品は上蓋を外してもスプーンが入ってません
Amazonの商品紹介では全く写真がないですが、上蓋を開けたところにはなにかデコボコした不思議空間が存在します。爪楊枝でつつけそうな穴が二つあいた、なぞの構造です。

象印、サーモスの商品も見てみたけれど、どれも似たような感じで蓋が複数のパーツにわかれる構造に変わっています。なんだこれ? めっちゃ洗いづらそうなんですけど。

で、象印の商品の説明を読んでみるに、
『熱々の商品を入れて蓋をしっかり締めると、中が陰圧になって開けづらくなることがあります。そんなときは、爪楊枝などの先で上蓋を開けたところにある弁を押してみてください。圧が抜けて開けやすくなります』
というようなことが書いてありました(うろ覚え)

要するに、蓋に新しく追加されたのは、陰圧で開けづらくなったスープジャーを開けやすくする工夫ってことらしいのです。なるほど。
ところがどっこい、私は今まで2年間使っていて、「陰圧で開かない」て経験がないんですね。だからこれ、全然ありがたみがわからない

私にとっては、「スプーンをケースに入れずに持ち運べること」と「洗いやすいこと(パーツが少ない、溝が少ないなど)」がとても良かったのに、その二つをいっぺんに失ってしまったわけです。

右に倣え? みんな同じで売れるわけ?

この開けづらさ解消の工夫、どのメーカーが最初に考案したのかわかりませんが、個人的に勝手にスープジャー(というか魔法瓶)の3大メーカーだと思っている象印、サーモス、タイガーの全てが蓋に採用していました。(それぞれ仕組みは若干違う)

どっか一社が考えて取り入れているなら、いいんですよ。もしくは、こういう工夫を取り入れた商品がラインナップの一つとしてあるのは、いい。
「お昼時にスープジャーを開けるのに苦労するの」ていう乙女には、必須ですよね。
でもね、みんな同じ仕様になっちゃったら、例えば「スプーンが付いているのがいいな」とか「あんまり複雑な形じゃなくて洗いやすいのがいいな」ていう他のニーズには応えられなくなっちゃうじゃないですか。

2年前に買ったときは、A社のここがいいけど、ここが使いづらそう。B社は使いやすそうだけど色がなぁ・・・とか言いながら選べたんだけれど、今回はどのメーカーのを見ても選択肢が1つに見えてしまって、大変困惑したのです。
いろいろ工夫を重ねていった結果、ある程度集約されてくるのは仕方ないのかもしれません。もっとよくしよう、ていう商品開発の姿勢はとても大事です。ただ、「変えるために変える」のでは意味がないと思うんですよね。

今回の蓋の仕様変更、「ニーズに目を向ける」というよりも、「もっと工夫しました!」というメーカー側の気持ちが強いように感じてしまいました。


結局ねこる家では、ネットで旧商品の在庫を買って済ませました。


ね、その仕様変更、ユーザーの方を向いてますか?

16.11.08 ラベルを「オピニオン」から「雑談」に変更しました。