介護施設のレクリエーション活動を取り仕切るプログラムの開発【ニュースの話題】

昨日の日経新聞オンライン記事より。

 NTTコミュニケーションズは、介護施設向けサービスの実証実験を始める。施設の担当者と同じようにロボットが体操などのレクリエーション活動を取り仕切るためのプログラムの開発に取り組む。(引用元:日経新聞「NTT、グループでAIロボット実証実験 介護や観光案内で

介護施設のレクリエーション活動をロボットが取り仕切るようなプログラムの開発が始まるのだそうで。
これ、期待したいな。
できれば価格も抑えめで。

レクリエーションは介護施設の重要な要素の1つ

というのも、先だって「特別養護老人ホーム」の1つを見学に行った際に、そのホームの特徴の1つとして「レクリエーションが毎日ある」ことをあげられたのですよ。
やっぱり、介護専門職は人手不足なので、「介助」で精一杯になってしまうことも多く、
多くの施設では、レクリエーションの余裕がないんだそうな。
だから、「毎日レクリエーション」が難しい施設もあるんだそうで。
(有料介護付き老人ホームなどは、また別としてね)

我が家の祖母は、楽しいことが大好き。
歌を歌ったり、折り紙したり、ちぎり絵をしたり、お庭でお花を眺めたり。
そういう時間が今の人生の「楽しい時間」を占めているのです。
そんな祖母にとって、「レクは週何回、それ以外の時間はぼーっとしてて」なんていうのは、ちょっとないな、と。
ぼーっと、することもなく、なんとなく過ごす時間て、「不安」な時間になりえて、
認知症が進行する要因になるんではないかと、個人的には思ってます
(あくまで、医学の心得のない個人の感想として・・・ね)

だから、私が施設を考える時、「レクリエーション」は大事な要素の1つ。

でも、介護専門職の人手が足りていないのも事実。
(これは、介護専門職の地位が不当に低いからだと思うわけだけど、その話はまた今度)

人手不足の中でも、人件費のかからないロボットでレクが回せたら、いいよね。
介護には絶対に人と人のぬくもりが必要不可欠だけど、全てになくちゃいけないわけでもないと思うの。
効率よく回せて、みんなが楽しめるなら、それが一番。

普及に期待しているのです

この手のもので、すでに導入事例もあるのが「パロ」。
人間のアクションに適度に反応してくれるアザラシ型ロボットですね。
今調べたら、プレスリリースが2004年だって! 10年以上前かいな。
某産総研の技術で開発されていて、某つくば駅周辺の公共施設(?)に本物がいます。
気になる人は「パロ」でググってみて。
まぁ、あるよねこういうの、て感じの動くアザラシのぬいぐるみが出てくるはず。
(しかし10年以上前とはなぁ・・・今でもロボット系のイベントには結構出てくるんだけどなぁ。)

パロは、導入例として公表を許可している施設が全国に約60箇所あるらしい。
病院や小児病棟を含んでいるから、必ずしも介護施設の数ではないんだけれども。
厚労省によると、平成26年時点で介護老人福祉施設(いわゆる特養)が全国に 7,249 箇所ある*そうなので、60箇所が全部特養でも、全体の1%以下の導入例ってことになるよね。
(*出典:厚労省「平成26年介護サービス施設・事業所調査の概況」)

実際は、特養での導入事例はほぼゼロなんじゃないかなぁ。
(60箇所全てをチェックする時間はかけてません。
暇な人は探してみて。導入事例のケース内に特養があったら教えてくださいw)

NTTの「ロボットが進行する介護向けレクリエーションプログラム」とやらも、実証実験の次はぜひ普及に努めてもらいたいと思うのです。

人手不足な介護の状況(介助者・介護専門職)をうまくサポートしつつ、
要介護者に笑顔を提供する。
そしてそれが当たり前になる。

そこまで行って初めて、「役に立つ技術」になると思うから。
応援してます!