じわじわ増えてる改葬・改墓 多様化するお墓のカタチ

ネットニュースを眺めていたら、「改葬」って言葉をみかけまして。
ここ数年で、確実に増えてきているんだとか。

お墓が遠方でお参りに行かれないから、近くに持ってきたい

という理由で、お墓のお引越しをすることを改葬とか改墓というのだそうだ。

かく言う我が家の旦那の実家でも、お墓を関東に移動している。

私はてっきり、「お骨・墓石」のお引越しだと思っていたんだけど、ちょっと調べてみるとどうやらそうとは限らないらしい。


  • 墓石が古くて運搬に耐えない
  • 先祖代々の墓から一部の親族のお骨だけ移動する(墓石は元あった場所に必要)
  • 新しい墓地では決められた石屋から墓石を買わなくてはいけない
  • 納骨堂に移動するから墓石がいらなくなる


などなど、まぁ実に様々な事情で墓石の引越しはできないケースもあるんだそうですよ、奥さん。
(もちろん、できるケースもある。元のお墓と新しいお墓次第だって)


ちなみに、「廃墓」という言葉もある。
例えば
「うちは娘ばかり、みんな嫁いじまって、お墓を守ってくれる子孫は誰もいないんよ」
なんてケースでは、店終いならぬ墓終いをして、自分のお骨はどこかに散骨しておくれ、
ということもある。

前もって廃墓をしなくても、何年も訪れる人がいないお墓が無くなることもある。

先日うちの菩提寺に行ったら、
「この墓地の縁者または縁者をご存知の方は至急住職までご連絡ください」
という立て札の建てられたお墓があった。
卒塔婆や草木の感じから、ここ数年は誰も訪れていない雰囲気。
こうなると、使用料滞納などの理由でお墓がなくなることもある。


あぁ、最近よく電車の中吊りなんかで見かける「永代供養」ってのももありますね。
これは多くの場合、合祀というスタイル。
そもそも墓石のようないわゆる「墓」はなくて、お参りするための部屋だけ用意してあって、ある程度の時間がすぎると骨つぼからお骨を出して、みんな一緒に合祀するわけ。

合祀だから、スペース効率もそんなに問題にならなくて、一人当たりのスペースを維持する必要がない。だから永きにわたって供養してもらえるのね。



墓石データベースについてつらつら考える


以前、このブログでも紹介したギズモードの「現代の魔術師」落合陽一氏へのインタビューの中に、墓石データベースって言葉が出てくる。

墓石データベースはいいですよ、グーグルを通さなくても物理的に存在するし、かなり長持ちしますから。(ギズモード:「落合陽一さんインタビュー後編」より)

インターネットは本質的にはパブリックだけれど、そのサービスを利用する限り、クラウドでもSNSでも何かしら企業に依存しないとならない。だから、その企業がサービスをやめれば、データの保証もない。
一方で、墓石のような物理的に存在する所有物にデータを保管できれば、たとえ寺や石屋や国が滅んでも、石は残るよね。だから、物理的に存在するものは強い。

ていう話なんだけど、いまどき、墓石を持たないという選択肢も増えているんだなぁと思った次第。

iPodが登場したように、データ格納のカタチはどんどん小型化しているんだし、いっそ位牌データベースがいいんじゃない?

あ、でも最近は、位牌すら預かってくれる納骨堂があるんだったか。
仏壇もない家増えてるものね。

多様化する「葬」のあり方。これから10年、20年、30年後のお墓ってどんなだろうって、考えてみるのも面白いと思いませんか?