認知症の祖母と健康診断に行ってきました



特別養護老人ホームからお声がかかったので、入所前の健康診断に行ってきました。
所定の用紙をもらって、近くの病院で用紙を埋めてもらうのね。

正直、結構不安で行ったんですが、結果的になんかいろいろ楽しくて。
今日はそんな「祖母語り」です。


二つのことが同時にできない! でもなんとかなるさ。

聴力検査がありまして。
耳にヘッドホンをつけて、検査のための音が聞こえたらボタンを押すっていう形式の。
お医者さんが使い方を丁寧に説明してくれるわけです。
そのお医者さんと祖母の会話が、なかなか。

「音が聞こえたら、このボタンを押してくださいね。」 「押すんですか? えいっ」
「あー、そうですねー。音が聞こえたらでいいんですよ。」 「音ですか?」
「一回、手、離しましょうねー。この音聞こえますか?」 「えぇ、聞こえます」
「もう一度聞こえたらボタンを押してくれますか。」 「押すんですか? えいっ」
「あー・・・。」

「音が聞こえたら」「ボタンを押す」ていう、二つの動作の関連付けができてないわけですよ。音が聞こえたら、聞こえた。ボタンを押すなら、押す。ていう動作になっちゃうのね。それでもまぁ、なんとかなるわけで。
お医者さんも、最終的には「ボタンのことは忘れてください」って。

「音が聞こえたら聞こえたって、言ってくださいねー」

うん。それでも聞こえるかどうかの検査はできるもんね。


最新機器? ナニソレオイシイノ?

視力検査もありまして。
今時の視力検査って、なんか顕微鏡みたいなの覗いてやるやつ多いですよね。
そこの病院にも、ちょっと新しい感じの、顕微鏡みたいな機械がありました。
覗き込むと、機械からおねえさんの声で使い方の説明が流れるの。で、中に表示が出たら、いわゆる「C」の切れている方向をジョイスティックを操作して示すっていう・・・おばあちゃんには無理そうなやつですけど、これ。

さすがにお医者さんも、うちの祖母にジョイスティックを握れとはいいませなんだよ。

ていうかそもそもおばあちゃん、背が低すぎて届いてないよ!

てなわけで、椅子を高くしたりクッション代わりにタオルをあてたり、いろいろ工夫してようやく覗いてもらいまして。

お医者)「輪っかの切れている方向を教えてくださいねー」 
祖母)「輪っかねえ。真っ赤・・・じゃなくて真っ白・・・じゃなくて。ねぇ。なんかよく見えないねぇ」
お医者と私)「・・・ん?」

私もお医者さんも、祖母が「何を見ているのか・見ていないのか」一緒に覗けないからわけがわからず。
これは視力が悪いのか機械が使えてないのかすらわからないレベル・・・。

「んー、よく見えませんか。じゃあ、とりあえずこの機械のことはもう忘れていいですよー。ちょっと廊下で待っていてくださいねー。」

祖母と揃って、ぽへっと廊下で待つことしばし。待っている間じゅう、半開きのカーテン越しに診察室が見えてたんだけど、お医者さん、あちこちの引き出しあけてガサゴソ。
「あった!」
て、何が? そう、あれですよ。あれ。
壁に貼るタイプの視力検査表。

めっちゃ丸まってるのを一生懸命伸ばして、テープを探し出してきて壁に貼り、
そこから規定の距離を測って床にもテープを貼り、
片目づつ隠すオタマみたいなやつをどこかから探し出してきて(埃かぶってた・・・)、

「スペシャルカスタマイズです(笑)」

本当にありがとうございます。祖母もこれは記憶にあったみたいで、あぁ、あれ目を測るのよね。なんて言いながら、視力検査も無事終了〜。
よかったよかった。

残念ながら、二人でトイレに籠っても検尿だけはできず終いでしたが、
(だって、検尿があるってわかってても我慢はさせられないからさ。容器もらう直前にトイレいっちゃったんだよねぇ)
それ以外の項目はニコニコしながら無事終了。よかったよかった。



この話、特に役に立つこともオチもないです。ごめんなさいね。